こころの治癒支援コンテンツ
治癒率を高めるための診断法・治療法
―精神科医廣瀬 久益の基本的な考え方―

ここでは、廣瀬理事長が長い臨床経験を基に提唱する診断法・治療法を紹介します。
今以上に病気からの回復を図りたい人、特に薬以外の治療を求めている患者・家族・医師の方々は是非ご覧下さい。

【約14分】

概要

1.心療内科・精神科で現在一般的に行われている診断方法

最近では、心療内科・精神科のクリニックが非常に多くなってきました。その多くはビルの中にスペースを借りて開院する「ビル診」と呼ばれる形態をとっており、血液検査などはほとんど行われていないというのが現状です。
心療内科としてはそれもひとつの形であり、カウンセリングをするだけならそれで十分かもしれません。が、考えてみる必要があるのは、患者さんのお話を本当にじっくり聞いた上で「診断」がなされているだろうか?という点です。

一昔前の心療内科・精神科の診断といえば、時間をかけて患者さんの「個人史(人生ストーリ)」を聴き取り、その人が病気に至る道筋は一体何だったのだろうか?をじっくりと紐解きながら医師が臨床経験上から判断する、というものでした。
最近では、患者さんのお話を伺いはするものの、「その患者さんの個人史から病気の成り立ち・原因を理解する」ということは少なくなっているという気がします。
その原因のひとつに、心療内科・精神科そしてその他多くの科での「診断基準」の導入があげられます。

2.画一的な「診断基準」による診断法・治療法の問題点

「診断基準」は病気に関して統計処理的な研究を推進するために都合の良いものです。
病気の背景には様々な要素がありますが、世界規模の診断基準となると共通性の高い要素で構成する必要があり、共通性の低い個人的な要素は排除されてしまいます。実際、共通性の高い症状のみで診断基準が作られています。その人の全体を診なくても、症状に着目することだけで診断が可能になるわけです。
有名なものではDSMⅢ、ICD10といった診断基準があり、それらに従って「この症状とこの症状があればうつ病」「この症状なら統合失調症」「この症状はパニック障害」といった、画一的な診断が行われるようになっています。

こういった診断法の利点は、統計研究がし易く、経験の浅い医師でも診断を行えるという点にあります。「診断基準」があれば、患者さんの個人的な人生ストーリーについては深く考えることをしなくても、病名を決める事が出来ます。病名が決まれば薬剤が決まり治療が出来るというわけです。

このような画一的な診断と薬剤中心の治療手法で、病気が治れば良いのですが…
実際には例えばうつ病の場合、ある抗うつ剤が効く確率は30%、多くても60%程度と言われています。
ある薬が効かないと別の薬に変更してみるということを繰り返し、いつまでたっても治らないという状況になった結果、難治性うつ病、潜源性うつ病、ひどい場合にはその方の性格・人格障害では?などと判断され治療をあきらめられてしまう事もあります。
消耗する一方の生き方・ものの考え方によってエネルギー切れとなっている人は、いくら抗鬱剤を飲んでも治らないだろうと考えるのが常識的ではないでしょうか。本来は治るはずの病気が、治せなくなっている現状は残念でなりません。

3.患者さん個々のストーリーから導く診断・治療の提唱

私は20年以上に渡り、個人史を大変重視した診断・治療を行ってきました。
患者さん個々の生い立ちに由来する、生き辛さや偏ったものの考え方、などを共感的に理解し、様々な方法論・テクニックを駆使して病気の克服のお手伝いをしています。

以前、難治性うつ病・境界性人格障害とまで診断されてしまっていた患者さんでさえ、行動変様、運動の継続、といった事の積み重ねによって治癒を果たし、現在では普通にお仕事をなさっています。

この個人史から導き出す診断はいわばオーダーメイド診断ですから、統計研究には不向きかもしれませんが、診断基準一辺倒の診断と比較して治療的にはるかに優れていると考えています。

また近年の、薬剤が30%程度しか効かないという事実がありながら、それ以外の治療法を用いないという考え方も腑に落ちません。
医師は「患者が治癒するために何をなすべきか」を真剣に考えるべきです。薬物療法に囚われず、広く世の中に目を向ければ、各種精神療法、運動療法、栄養療法など様々な手法が存在しており、アニマルセラピー、アロマテラピー、ハーブのような手段で改善していった例も数限りなくあることに気付くはずです。
広い知識と柔軟性と創造性をもって患者さんにとって有効な治療法を臨床の中で見定めていくことが必要であると考えます。

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